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テレビドラマsheが完結しました。全5話という短い話数でしたが、なかなかよかったです。魅力を綺麗な文章にするには疲れているので、ポイントだけまとめておきます。

 

 

あまちゃん」で注目された松岡茉優が初主演を務めていたけれど、出で立ち演技力め力すべからくよかった。目に近い濃いめの眉毛と黒々とした瞳が意志の強さを表してるよう。バラエティでもいい味出しててずっとぶらり散歩していてほしい。

脇を固めるキャストも、いま注目の若手ばかり。中城あやみの少しぎこちない挙動、清水くるみの芋臭さや、森川葵の魅力を抑えた地味さを誇張した演技、いましか見られない!と急かされているようなドラマだった。

 

ストーリーは、少し昔に流行った1ページミステリーのような感じ。1つずつヒントが提示されるものの、最終話でいささか突飛な真実が明らかになる。ただ視聴者を驚かせるには答えを導けるようなヒントの提示がないというのも常習の手ではある。伊坂幸太郎森博嗣の作品なんかでもよく見られる手法だと思うので、特に文句はなし。少し前半に締まりがなかったか。

カメラや舞台位置設定を有効に使った演出はとてもよかった。屋上での三方向の目線や教室内での立ち振る舞いの記録、部室の上からの映像、どれも定点観察的で新しかった。

 

楽曲は全編一貫[Alexandros]を起用。BGMとしてはやや音量が大きすぎて、演出としてはちょっとどうかと。話に集中できない。内容の面から見ても、[Alexandros]ありきの楽曲のためのドラマではなかったはず。青地にピンクのスタイリッシュなデザインから見ても、雰囲気に統一感をもたせているのはよかった。フジテレビ土曜1140〜という編成と高校が舞台っていう側面から見ても、バンドの選択にミスはなかったと個人的には思う。ティーン層を狙いすぎて、CMがゲスが流れるコカコーラだのKANA-BOONが流れる日焼け止めだのばかりで笑っちゃうくらいだったが。

 

あとは作中に出てくるtwitter、ドラマ内でつぶやかれた放映と同時にリアルタイムで、アカウントが更新される。作中に出てきたツイートはすべてそのアカウントで更新され、また逆にツイートの多くは作中で出てきたものだった。ドラマに反映(ドラマから?)されていなかったのは、最後の「ありがとう、ごめんね。」のみ。松岡茉優が作中でアカウントを削除すると同時に現実に更新されていたアカウントも削除された。凝ってる。

ドラマをリアルタイムで観る意義が薄れている今、twitterでリアルに更新されるツイートと共に生の面白さを味わえたのはいいドラマ体験だった。見逃した人のために7日間無料放送のサービスが各テレビ局の試みとして始まってるけれど、あとから観るばかりでは体験できない興奮を提供することでリアルタイムでの視聴を増やすっていう考え方は大切にすべきだと思った。こういった趣向の派生もたのしみ。